Classici giapponesi con furigana
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さいてゆくはな
咲いてゆく花
素木 しづ
Leggi 咲いてゆく花 (さいてゆくはな) di 素木 しづ (しらきしづ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8478 caratteri · 17 schermate
少女は、おどろいて茫然たってしまった。すると、彼女は足元から蒸すような熱さを感じて、めまいがすると、そのまゝくら/\と倒れようとした。
翌朝、ほのかな暁の光りと共に、少女は夢を忘れてしまった。そして北国の晴涼な、静寂な、夏休の第一日目の暁を、少女は常のように楽しい安らかな夢から、白い床の上に一人目覚めた。そして、朝の鮮らしい、光りに対する歓喜の為めに、無意識に床のなかゝら、つやゝかなゆたかな片腕をさしのべて、枕際の窓のカーテンを引きあげようとした。けれども彼女は急に、おどろいたような不快な表情をして、床の中に再び引込んだ。
そして直ちにいまわしい重苦しい、だるい気分になって、どうしたわけか時々おそわれるように羞しさが、少女の乱れたお下髪の髪の先から、足の先までをぞっとさせた。そして夜具のなかの両足が、物におびえたようにふるえた。
『どうしたらいゝだろう。』
けれども少女は、そのまゝ床のなかにいるという事も出来なかった。わずかに起き上っては見るけれども、いつものように着物をきるだけの元気はなかった。そして急に目覚めた歓喜も、すべて小さな幸福までも少女の心から消えてしまって、日を見ることの出来ない土のなかのもぐらのように悲しかった。