Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜんこんどんこん

善根鈍根

佐々木 邦

Leggi 善根鈍根 (ぜんこんどんこん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.638 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

と藤浪君は興味を催した。場合によってはお説法をしてやる積りだった。しかし傾聴している中に遂々引き込まれて、何うやら自分のところと似通った徴候だと思って、倦怠期の暗示を受けた。

それから間もないことだった。忘れていた貞代さんが御主人と一緒に上京して、子供を二人つれて訪ねて来た。主人は商用、自分は東京見物ですけれどもと言った。丁度日曜だったから、藤浪君は早速案内役を勤めた。夕刻宿屋へ送り届けて、「丸喜」君にも久しぶりで会った。郷里の話が出て、つい晩くなって帰ったら、貞江夫人は少し御機嫌が麗しくなかった。

「お帰りなさいまし」

「晩くなった。あゝ草臥れた」

「御苦労さま」

「見物となると東京の広いことが分るね。自動車で飛ばしたけれど、未だ/\見るところが沢山残っているから、明日社を休んで、もう一日案内してやることにして来た」

「…………」

「お前に宜しくと言ったよ」

「有難うございますけれど、私、あなたに伺いたいことがございますわ」

「何だい? 改まって」

「待遇が違いますわね」

「え?」

「私の親類とは待遇が違いますってこと」

「変なことを言うなよ」

「違うじゃありませんか? 私の叔父が来た時、あなたは社を休んで御案内して下さいましたか?」