Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Leggi 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) di 森田 草平 (もりたそうへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.183 caratteri · 112 schermate

Aozora Bunko

もっとも、風説にすぎぬかもしれないが、去年以来の成行を思えば、全然風説のようなことがないとも言われない。お前はどうだ? かねて上方ではだいぶ大石殿のお世話になったというが、まさかお前がその一味に加担しているようなことはあるまいな」

「はッ」と言ったまま、小平太はちょっと顔が上げられなかった。

「じつはその風説を耳にしてから、ぜひ一度お前に会って訊いてみようと思っていたところだ。今聞けば、さる西国筋の御大身に主取りをしたと言いながら、わしにその名を明そうともしない。で、万一お前がそういう企てに加担していたとしたら、兄弟のわしには包まず明すがいいぞ」

小平太はふたたび「はッ」と言ったまま、頸筋を垂れて、じっと考えこんでしまった。そこまで知っていられては、もう是非がない。それに、そういう風説を耳にしながら、今日まで黙っていたところを見れば、兄もこのたびの一挙にまんざら同情がないわけでもあるまい。まして戸田家と浅野家とは御親類の間柄だ。ここで俺が戸田家の家来たる兄に有様を打明けてみたところで、別段差障りの生ずるようなこともあるまい。このたびの事は、親兄弟たりともいっさい漏らすまいという誓約はある。