Classici giapponesi con furigana
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とさのくにばしら
土佐の国柱
山本 周五郎
Leggi 土佐の国柱 (とさのくにばしら) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.375 caratteri · 35 schermate
……銃声は絶えたが、白兵戦の叫喚は谷間に満ち、撃ち合う物具、飛び交う剣槍、蒙々と舞い立つ土埃のなかに、これらのものが、まるで悪夢の如く展開している。
砦の中は嘘のようにがらんとしていた。……踏込んだ小弥太は大音に、
「高閑どの、見参仕る。高閑どの」
と絶叫しながら、奥へ進んだ。
「……応! 斧兵衛は此処じゃ」
昂然と叫ぶ声がして、向うから高閑斧兵衛が現われた。……黒糸縅の鎧に兜は衣ず、自慢の槍を持って悠々と進み寄る。「小弥太か、待兼ねたぞ、参れ」
「……御免!」小弥太はそのまま突込んだ。
老いたりとも千軍万馬の勇士、亡き一豊と共に一生を戦塵の中に過した斧兵衛だ。むざとは討てまい。……小弥太はそう覚悟していた。しかし斧兵衛はひと合せもせず、その体を盾の如く、小弥太の突掛ける槍の下に脇壺を刺貫かせてと倒れた。……それは事実、『刺し貫かせた』というべきである。小弥太は呆れ、
「……高閑どの」と槍を引いた。斧兵衛は声高く、
「あっぱれ手柄だぞ、小弥太」
と自分の首を叩きながら云った。
「早くこの首打って殿の御前へ持て。……最期に臨んで其方だけに申す、最早お家は万歳だぞ」