Classici giapponesi con furigana
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とさのくにばしら
土佐の国柱
山本 周五郎
Leggi 土佐の国柱 (とさのくにばしら) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.375 caratteri · 35 schermate
「……小弥太!」遂に、忠義は感動に震える眼をあげて、宙を睨めながら云った。「よく分った、よく分ったぞ」
「はあっ」
「大通院さまが御臨終に、……斧兵衛は当家にとって、格別の者と仰せられた。格別の者と、……心と心と、こんなにぴったりと触れ合うものだろうか、大通院さまと斧兵衛と。……小弥太」
忠義の声はいつかしめっていた。
「斧兵衛は、土佐の国柱だな」
「そのお言葉を……ひと言、生前の斧兵衛に聞かしてやりたかったと存じまする」
「泣くな、……」
忠義は、脇を向きながら云った。
「そして、そう思うなら、娘小百合に眼をかけてやれ。……斧兵衛に若し心残りがあるとすれば、それだけであったろう。よいか」
「……殿」
小弥太は涙の溢れる眼で、忠義を見た。
客殿の広縁には秋の日が明るく、土佐二十余万石の礎が、確固として築かれたのを祝福する如く、前庭の樹々は錦繍を綴って眼もあやに燃えていた。