Classici giapponesi con furigana
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とち
土地
豊島 与志雄
Leggi 土地 (とち) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.719 caratteri · 22 schermate
」と平助は云った。
「それでもね、町せえ行きゃあ、うんと金が儲からあ。おらが町でこれくれえ働きゃあ、お父つあんなざあ寝ててええだ。」
「馬鹿云うねえ。他処せえ行って、稼ぎためて戻って来る者あ一人もありゃしねえ。みんな遊びばかり覚えやがって、極道者になるが定じゃねえか。」
平助の頭に殊に深く刻みつけられてるのは、死んだおてつのことだった。嫁入って間もなく、良人と共に山向うの炭坑へ行ったが、少し小金がたまると、良人は酒と賭博とに深入りし、何処の者とも知れない茶屋女に引っかかって、その女と一緒に出奔してしまい、おてつは幼い娘を連れて、乞食のような風で舞い戻って来たのだった。それからまた、村の誰彼のことも平助の胸に浮んだ。生活が困難になるにつれて、村の若い者は毎年二三人は屹度遠くへ流れ出した。町の工場へ行く者もあれば、遠く山を越えて炭坑へ行く者もあった。そして多くは、服装ばかりは立派だが懐中は無一文で、漂然と村へ帰って来て、また何時しか遠くへ去ってしまうのだった。そういうことが村の若者の心に、惰気と不安定とを知らず識らず齎していた。
「おいらが若え時分には、みんな地面にかじりついていたものだ。