Classici giapponesi con furigana
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トソンラン
土城廊
金 史良
Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate
婦はむっくりと立ち上って彼の方へ豹のようにかぶりついて来た。
「ど畜生奴! 殺せ! 殺せ!」
先達は一瞬よろめいた。婦は髪房がもつれ肩が激しく波打っている。
「殺せ、アヤ、アイタ、アヤ、殺せ!」
先達は蹴り、打ち叩き、髪束を掴まえて地べたに婦を引き廻した。泥が四方にはね散る。……と見る間に彼女は投げ出されたのであろう、すってんてんによろけ足を宙にしてどうっと倒れてしまった。
「先達、どんげした訳だも?」
全く魂消た元三はおずおず近附いて言葉をふるわせた。だがそれはとぎれとぎれで丸で呟きのように小さく唸っただけだった。愚直な爺は先達をあの怖ろしい忿怒の虜にさせたのが彼自身であることを迂濶にも知らない。男はいよいよ火花のように燃え上って、元三の襟首をぎゅっと掴み寄せた。
「先達、わしが何しただ?」
爺は喘いだ。だがふと自分の顔へ先達の頭が突き上って来るのを見た。と思う間に忽ち目から火が飛び、頭がくらくらし出した。爺は槍にさされた黒熊のようにばたばたのめった。
婦は倒れたまま地べたを叩いて慟哭する。
「アイゴ! こんげ怨めしいことがあるだか、一体何が悪えだよ。わたしにこんな乞食態をさせるのあ一体何処の何奴だよ……アイゴオオオ」