Classici giapponesi con furigana
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もぐらとらくばん
土鼠と落盤
黒島 伝治
Leggi 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.823 caratteri · 36 schermate
隅の方で拇指のない坑夫がさゝやいた。村上という医者は、三年前、四カ月程いて、坑山病院から頸になって行ってしまった。その村上も、決して坑夫に特別味方して呉れた医者じゃなかった。たゞ事実を有る通りに曲げなかった。そして、公平に、坑夫でも手子でも空いていさえすれば、一等室に這入らした。その事実を曲げない、公平なだけでも、坑夫達には親のように有難かった。だが、それだけに、この坑山では、直ちに、追い出される理由になった。
「糞ッ!」
彼等は、坑内へ引っかえしながら、むしろ医者に激しい憎悪を燃した。
「町が近けりゃ、ほかの医者にかつぎこんで見せてやるんだがなア!」
「なに、どいつに見せたって同じこったよ!」武松が憎々しげに吐き出した。「今に見ろ! 只じゃ怺えとかねえから。」
妊婦は、あとで「脳振盪」と、病床日誌に死の原因を書きつけられていた。
五
今度は、山のような落盤の上に下敷きとなっている十四人を掘り出さなきゃならなかった。洞窟の奥の真暗な横坑にふさぎ込められていた土田は、山を這い渡る途中に、又、第二の落盤でもありやしないか、びく/\しながら、小さくなって、ころび出て来た。