Classici giapponesi con furigana
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ちちゅうま
地中魔
海野 十三
Leggi 地中魔 (ちちゅうま) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.599 caratteri · 50 schermate
「異状なし」
「全く異状ありません」
かくて夜明けが来た。東の空が、ほの明るくなって来た。
「夜が明けるぞ。とうとう、岩はやってこなかった」
「あいつもやきが廻ったと見える。昨日のうちに貰うぞといっときながら、一向やってこんじゃないか。尤も僕たちの警戒がうまく行ってるので、恐れをなして寄りつかなかったんだろうけれど」
だが課長だけは心配が抜けなかった。今日になって、金貨の顔を実際に見ておけば、本当に安心出来ると思った。
「よし、金庫を開けよう」
ああ金貨百万弗
正金銀行の大金庫は、入れるのには簡単だったが、開くのには大変骨が折れた。それは容易に盗み出されないためだった。
ようやく、ギーと最後の室が開いた。もうあとは最後の文字盤を合わせて、ハンドルをぐっと引張ればよい。
大江山課長はじめ警察の人々、銀行の人々は、思わず唾を嚥みこんだ。
ガチャン、ガチャン、ガチャン。――
ハンドルを握って引張ると、ビール樽をはめこんだような金庫の扉が、音もなく口をあけてくる――
金貨は?
「あッ」
「おお、金貨が見えない」
不思議だ、不思議だ。金貨が重さで一瓲半もあるというのが、姿を消して一枚も残っていなかった。