Classici giapponesi con furigana
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じぞうそん
地蔵尊
徳冨 蘆花
Leggi 地蔵尊 (じぞうそん) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2006 caratteri · 5 schermate
地蔵様は何時も笑顔で、何時も黙って、何時も合掌してござる。
地蔵様の近くに、若い三本松と相対して、株立ちの若い山もみじがある。春夏は緑、秋は黄と紅の蓋をさし翳す。家の主はこの山もみじの蔭に椅子テーブルを置いて時々読んだり書いたり、そうして地蔵様を眺めたりする。彼の父方の叔母は、故郷の真宗の寺の住持の妻になって、つい去年まで生きて居たが、彼は儒教実学の家に育って、仏教には遠かった。唯乳母が居て、地獄、極楽、剣の山、三途の川、賽の河原や地蔵様の話を始終聞かしてくれた。四五歳の彼は身にしみてその話を聞いた。そうして子供心にやるせない悲哀を感じた。そんな話を聞いたあとで、つくづく眺めたうす闇い六畳の煤け障子にさして居る夕日の寂しい寂しい光を今も時々憶い出す。
賽の河原は哀しいそうして真実な俚伝である。この世は賽の河原である。大御親の膝下からこの世にやられた一切衆生は、皆賽の河原の子供である。子供は皆小石を積んで日を過す。ピラミッドを積み、万里の長城を築くのがエライでも無い。村の卯之吉が小麦蒔くのがツマラヌでも無い。一切の仕事は皆努力である。一切の経営は皆遊びである。