Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じしんなまず

地震なまず

武者 金吉

Leggi 地震なまず (じしんなまず) di 武者 金吉 (むしゃきんきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.954 caratteri · 195 schermate

Aozora Bunko

そこでコーヒーを持参したが、その時は何事もなく済んだ。他の機会に再びコーヒーを差し上げたら、先生じっと見ていたが、やがて口を開いて、「君の家にはコーヒーのなる木でも植えてあるのか。」それ以来筆者は先生にコーヒーを上げるのを止めた。懲りた。

先生は研究のかたわらよく書きよく講演した。大正十二年の震災当時だけでも、通俗雑誌に寄稿したものが四十篇、この外に遺漏がどのくらいあるか分からない。講演は神奈川県五六回、千葉県二三回、名古屋一回、大阪一回、東京に至っては先生自身も覚えていないほどの回数であった。

ある年先生のお伴をして静岡県海岸の某所に調査に行った。その時立ち寄ったある寺の住職は面白い坊主だった。彼いわく、この寺は檀家の数が少ないので住職がいつかない。昔から風呂桶寺といわれてきた。私は住職のかたわら雑貨商をやり易者もやる。こういう才能のない人間にはこの寺の住職はつとまりません。この坊主、来訪者が今村博士と知って、私は大正十二年の地震のお蔭で金儲けをしましたという。そのわけをきいて見ると、その土地の者で東京に行っている人が少なくない。その人々の家族が安否を心配して自分に卜ってもらいに来たものが沢山あったからだとのこと。