Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼっちゃん

坊っちゃん

夏目 漱石

Leggi 坊っちゃん (ぼっちゃん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.491 caratteri · 177 schermate

Aozora Bunko

おれの通る路は暗い、ただはずれに見える月あかりが目標だ。おれが馳け出して二間も来たかと思うと、廊下の真中で、堅い大きなものに向脛をぶつけて、あ痛いが頭へひびく間に、身体はすとんと前へ抛り出された。こん畜生と起き上がってみたが、馳けられない。気はせくが、足だけは云う事を利かない。じれったいから、一本足で飛んで来たら、もう足音も人声も静まり返って、森としている。いくら人間が卑怯だって、こんなに卑怯に出来るものじゃない。まるで豚だ。こうなれば隠れている奴を引きずり出して、あやまらせてやるまではひかないぞと、心を極めて寝室の一つを開けて中を検査しようと思ったが開かない。錠をかけてあるのか、机か何か積んで立て懸けてあるのか、押しても、押しても決して開かない。今度は向う合せの北側の室を試みた。開かない事はやっぱり同然である。おれが戸を開けて中に居る奴を引っ捕らまえてやろうと、焦慮てると、また東のはずれで鬨の声と足拍子が始まった。この野郎申し合せて、東西相応じておれを馬鹿にする気だな、とは思ったがさてどうしていいか分らない。正直に白状してしまうが、おれは勇気のある割合に智慧が足りない。