Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼっちゃん

坊っちゃん

夏目 漱石

Leggi 坊っちゃん (ぼっちゃん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.491 caratteri · 177 schermate

Aozora Bunko

それになぎですからとお世辞を云いながら、これも糸を繰り出して投げ入れる。何だか先に錘のような鉛がぶら下がってるだけだ。浮がない。浮がなくって釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかるようなものだ。おれには到底出来ないと見ていると、さあ君もやりたまえ糸はありますかと聞く。糸はあまるほどあるが、浮がありませんと云ったら、浮がなくっちゃ釣が出来ないのは素人ですよ。こうしてね、糸が水底へついた時分に、船縁の所で人指しゆびで呼吸をはかるんです、食うとすぐ手に答える。――そらきた、と先生急に糸をたぐり始めるから、何かかかったと思ったら何にもかからない、餌がなくなってたばかりだ。いい気味だ。教頭、残念な事をしましたね、今のはたしかに大ものに違いなかったんですが、どうも教頭のお手際でさえ逃げられちゃ、今日は油断ができませんよ。しかし逃げられても何ですね。浮と睨めくらをしている連中よりはましですね。ちょうど歯どめがなくっちゃ自転車へ乗れないのと同程度ですからねと野だは妙な事ばかり喋舌る。よっぽど撲りつけてやろうかと思った。おれだって人間だ、教頭ひとりで借り切った海じゃあるまいし。