Classici giapponesi con furigana
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ぼっちゃん
坊っちゃん
Leggi 坊っちゃん (ぼっちゃん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.491 caratteri · 177 schermate
いい気味だ。
おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒にゃ到底出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇うがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令を出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽るとつい品性にわるい影響を及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽がないと、田舎へ来て狭い土地では到底暮せるものではない。それで釣に行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚な精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖へ行って肥料を釣ったり、ゴルキが露西亜の文学者だったり、馴染の芸者が松の木の下に立ったり、古池へ蛙が飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑み込むのも精神的娯楽だ。