Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
こっちがおとなしければおとなしいほど、この笑は高く響いたに違ない。銅山を出れば、世間が相手にしてくれない返報に、たまたま普通の人間が銅山の中へ迷い込んで来たのを、これ幸いと嘲弄するのである。自分から云えば、この坑夫共が社会に対する恨みを、吾身一人で引き受けた訳になる。銅山へ這入るまでは、自分こそ社会に立てない身体だと思い詰めていた。そこで飯場へ上って見ると、自分のような人間は仲間にしてやらないと云わんばかりの取扱いである。自分は普通の社会と坑夫の社会の間に立って、立派に板挟みとなった。だからこの十四五人の笑い声が、ほてるほど自分の顔の正面に起った時は、悲しいと云うよりは、恥ずかしいと云うよりは、手持無沙汰と云うよりは、情ないほど不人情な奴が揃ってると思った。無教育は始めから知れている。教育がなければ予期出来ないほどの無理な注文はしないつもりだが、なんぼ坑夫だって、親の胎内から持って生れたままの、人間らしいところはあるだろうくらいに心得ていたんだから、この寸法に合わない笑声を聞くや否や、畜生奴と思った。俗語に云う怒った時の畜生奴じゃない。人間と受取れない意味の畜生奴である。