Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
……
すると、突然針で背中を刺された。夢に刺されたのか、起きていて、刺されたのか、感じはすこぶる曖昧であった。だからそれだけの事ならば、針だろうが刺だろうが、頓着はなかったろう。正気の針を夢の中に引摺り込んで、夢の中の刺を前後不覚の床の下に埋めてしまう分の事である。ところがそうは行かなかった。と云うものは、刺されたなと思いながらも、針の事を忘れるほどにうっとりとなると、また一つ、ちくりとやられた。
今度は大きな眼を開いた。ところへまたちくりと来た。おやと驚く途端にまたちくりと刺した。これは大変だとようやく気がつきがけに、飛び上るほど劇しく股の辺をやられた。自分はこの時始めて、普通の人間に帰った。そうして身体中至る所がちくちくしているのを発見した。そこでそっと襯衣の間から手を入れて、背中を撫でて見ると、一面にざらざらする。最初指先が肌に触れた時は、てっきり劇烈な皮膚病に罹ったんだと思った。ところが指を肌に着けたまま、二三寸引いて見ると、何だか、ばらばらと落ちた。これはただ事でないとたちまち跳ね起きて、襯衣一枚の見苦しい姿ながら囲炉裏の傍へ行って、親指と人差指の間に押えた、米粒ほどのものを、検査して見ると、異様の虫であった。