Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
自分があまり手間取るんで、初さんが屈んでこっちを覗き込んでるところであった。この一間をどうして抜け出したか、今じゃ善く覚えていない。何しろできるだけ早く穴まで来て、首だけ出すと、もう初さんは顔を引っ込まして穴の外に立っている。その足が二本自分の鼻の先に見えた。自分はやれ嬉しやと狭い所を潜り抜けた。
「何をしていたんだ」
「あんまり狭いもんだから」
「狭いんで驚いちゃ、シキへは一足だって踏ん込めっこはねえ。陸のように地面はねえ所だくらいは、どんな頓珍漢だって知ってるはずだ」
初さんはたしかに坑の中は陸のように地面のない所だと云った。この人は時々思い掛けない事を云うから、今度もたしかにとただし書をつけて、その確実な事を保証して置くんである。自分は何か云い訳をするたんびに、初さんから容赦なくやっつけられるんで、大抵は黙っていたが、この時はつい、
「でもカンテラが消えそうで、心配したもんですから」
と云っちまった。すると初さんは、自分の鼻の先へカンテラを差しつけて、徐に自分の顔を検査し始めた。そうして、命令を下した。
「消して見ねえ」
「どうしてですか」
「どうしてでも好いから、消して見ねえ」