Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

その傍に俵がある。これはさっきスノコへ投げ込んだ俵と同じ大きさで、もういっぱい詰っている。掘子が来て担いで行くばかりだ。自分は今度こそこいつに聞いてやろうと思った。が肝心の本人が一生懸命にかあんかあん鳴らしている。おまけに顔もよく見えない。ちょうどいいから少し休んで行こうと云う気が起った。幸い俵がある。この上へ尻をおろせば、持って来いの腰掛になる。自分はどさっとアテシコを俵の上に落した。すると突然かあんかあんがやんだ。坑夫の影が急に長く高くなった。鑿を持ったままである。

「何をしやがるんでい」

鋭い声が穴いっぱいに響いた。自分の耳には敲き込まれるように響いた。高い影は大股に歩いて来る。

見ると、足の長い、胸の張った、体格の逞しい男であった。顔は背の割に小さい。その輪廓がやや判然する所まで来て、男は留まった。そうして自分を見下した。口を結んでいる。二重瞼の大きな眼を見張っている。鼻筋が真直に通っている。色が赭黒い。ただの坑夫ではない。突然として云った。

「貴様は新前だな」

「そうです」

自分の腰はこの時すでに俵を離れていた。何となく、向うから近づいてくる坑夫が恐ろしかった。