Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

人に公言すると、しないのとは大変な違があるもんだ。その内かあんかあんがやんだ。坑夫はまた自分の前まで来て、胡坐をかきながら、

「ちょっと待ちねえ。一服やるから」

と、煙草入を取り出した。茶色の、皮か紙か判然しないもので、股引に差し込んである上から筒袖が被さっていた。坑夫は旨そうに腹の底まで吸った煙を、鼻から吹き出している間に、短い羅宇の中途を、煙草入の筒でぽんと払いた。小さい火球が雁首から勢いよく飛び出したと思ったら、坑夫の草鞋の爪先へ落ちてじゅうと消えた。坑夫は殻になった煙管をぷっと吹く。羅宇の中に籠った煙が、一度に雁首から出た。坑夫はその時始めて口を利いた。

「御前はどこだ。こんな所へ全体何しに来た。身体つきは、すらりとしているようだが。今まで働いた事はねえんだろう。どうして来た」

「実は働いた事はないんです。が少し事情があって、来たんです。……」

とまでは云ったが、坑夫には愛想が尽きたから、もう、帰るんだとは云わなかった。死ぬんだとはなおさら云わなかった。しかし今までのように、腹の内で畜生あつかいにして、口先ばかり叮嚀にしていたのとはだいぶん趣が違う。