Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

自覚すると共に、自分は普通の人間と違って、みんなが活動する時分でさえ、他に釣り込まれて気分が動いて来ないような仲間外れだと考えた。袖が触れ違って、膝を突き合せていながらも、魂だけはまるで縁も由緒もない、他界から迷い込んだ幽霊のような気持であった。今までは、どうか、こうか、人並に調子を取って来たのが汽車が留まるや否や、世間は急に陽気になって上へ騰る。自分は急に陰気になって下へ降る、とうてい交際はできないんだと思うと、背中と胸の厚さがしゅうと減って、臓腑が薄っ片な一枚の紙のように圧しつけられる。途端に魂だけが地面の下へ抜け出しちまった。まことに申訳のない、御恥ずかしい心持ちをふらつかせて、凹んでいた。

ところへ長蔵さんが、立って来て、

「御前さん、まだ眼が覚めないかね。ここから降りるんだよ」

と注意してくれた。それでようやくなるほどと気がついて立ち上った。魂が地の底へ抜け出して行く途中でも、手足に血が通ってるうちは、呼ぶと返って来るからおかしなものだ。しかしこれがもう少し烈しくなると、なかなか思うように魂が身体に寄りついてくれない。その後台湾沖で難船した時などは、ほとんど魂に愛想を尽かされて、非常な難義をした事がある。