Classici giapponesi con furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate
知恵を働かせて、ここから逃げることを、ちゃんと考えついていたからです。
昼間は何くわぬ顔をしていましたが、晩の御飯を食べるとき、男がわきみをしているすきに、ひとにぎりの御飯のかたまりを、そっと、部屋に落ちている板ぎれの下へかくしました。
男はそれとも知らず、御飯がすむと、またもとのように、ポケット小僧の手足をしばり、さるぐつわをはめ、そこへころがしておいて、下へおりていってしまいました。
ポケット小僧は、ころがったまま、じっと、夜がふけるのを待っていました。
もう八時か九時ごろでしょう。あたりは、まっくらで、シーンと静まりかえっています。耳をすますと、コト、コト、コト、コト……と、小さな音が聞こえてきます。ネズミです。ゆうべと同じように、あなからネズミが出てきて、あばれているのです。
ポケット小僧は、さっき御飯のかたまりをかくしておいたところへ、ころがっていき、あごを使って板ぎれをとりのけると、しばられた胸を、御飯のかたまりの上に押しつけて、なわに、御飯つぶを、じゅうぶんになすりつけました。
そして、床に残った御飯つぶは、からだでかくして、そこにあおむけにじっと横たわっていました。