Classici giapponesi con furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate
そして、あたまには、黒いふさふさした髪の毛のあいだから、白い角が二本、ニョキッとはえているではありませんか……。
角のあるこうもり男です。あの古い古い赤れんがのたてものの中には、こんな恐ろしいこうもり男が、住んでいるのでしょうか。
三人とも、しっかりした少女ですが、でも、時計塔の上で、はばたいている、いようなこうもり男を見ると、心のそこから、ゾウッとしないではいられませんでした。
「はやく帰りましょう。あんなもの、見ちゃいけないわ。ね、はやく帰りましょうよ。」
マユミさんが、ふるえ声で、ふたりをうながしました。むろん、スミ子ちゃんもトシ子ちゃんも、こんなきみのわるいところにいる気はありません。
「帰りましょう。」
「帰りましょう。」
そして、三人は、いそぎ足に、うしろの林の中へひきかえすのでした。
そのとき、はるかうしろの空から、
「け、け、け、け……。」
怪鳥のなき声のようなものが、かすかに聞こえてきました。こうもり男が、少女たちを、あざ笑っていたのです。
「ワアッ、こわいッ……。」
森下トシ子ちゃんが、もう、がまんができなくなって、ひめいをあげました。