Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぼちてんぼうてい

墓地展望亭

久生 十蘭

Leggi 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.485 caratteri · 93 schermate

Aozora Bunko

(写真を盗んだのは、ヤロスラフ少年ではなかったろうか)

じぶんが王女の写真を持っていることを知ってるのは、このマナイールでは、ヤロスラフ少年の他にはいない。そういえば、いかにもありそうなことだった。……しかし、いったい、何のために? この謎はどうしても解けなかった。

謁見式の時間がきた。

出御を知らせる、杖で床を打つ音が重々しく響きわたった。謁見者の群は、水でも引くように、等分に左右に別れて整列した。

謁見式の大扉は、しずかに引き開けられた。燃えるような真紅の絨氈のはるか向う端に、天蓋をつけた王座も見え、そこには黒い差毛をした、白色の大マントをゆたかに羽織ったひとの姿が見えていた。

竜太郎の胸の鼓動が、遽に劇しくなった。

式部長官が、朗詠するような調子で、次ぎつぎに謁見者の名を読みあげる。

「ルドルノ・ロータル……。ミカエル・ストロエウィッチ……。イヴァン・ヴィニェット……。サア・ダグラス・バンドレー……」

そして突然に、

「竜太郎・志村……」と、呼んだ。

前へ進むつもりなのが、どうしたはずみか、二三歩後によろけた。それから、改めてやり直した。

竜太郎は、慇懃に頭を下げ、じぶんの靴の爪先を眺めながら、しずかに王座に向って歩きだした。