Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かべのめのかい

壁の眼の怪

江見 水蔭

Leggi 壁の眼の怪 (かべのめのかい) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7253 caratteri · 15 schermate

Aozora Bunko

それは別段大きくはないのだけれど、いやに底光りがして、何とも云えない凄味が差すのであった。その怪しき眼と直芳との眼とがバッタリと見合った時には、直芳は思わずゾッとして、怪しき無形の毒矢にでも、射込まれたような気持を感じたのであった。

それで急いで反対の方を見た。そちらの壁には、蔭乾しにと釣り下げてある山草花の横手から、白露の月に光るが如き涼しく美しき眼の輝きが見えた。若き女性と直覚せずにはいられなかった。あの浴泉の美女ではないだろうか。どうもその様に思われてならなかった。

壁を透かして雪の肌が浮出すかのように感じられて、直芳は恍惚たらずにはいられなくなった。

三

大炊之助は家重代の宝物、及び古文書を出して、勝国手に見せるのであった。いずれも貴重なる参考物なので、念入りに国手は調べ出した。

「この間に近所の見取絵を作りとう御座りまする。暫時失礼致しまする」

「ああ、それは宜しかろう」

直芳はただ一人で屋外に出た。そこに村人は集まって、乾した股引脚半の小紋或いは染色を見て、皆々珍しがっているのであった。

家数昔は五十戸有ったが、今は二十戸という、その割には人の数の多いのに驚かれた。