Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばいしょくかもなんばん

売色鴨南蛮

泉 鏡花

Leggi 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.926 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

「仰向いて、ぐっと。そら、どうです、つるつるのつるつると、鮮かなもんでげしょう。」

「何だか危ッかしいわね。」

と少し膝を浮かしながら、手元を覗いて憂慮しそうに、動かす顔が、鉄瓶の湯気の陽炎に薄絹を掛けつつ、宗吉の目に、ちらちら、ちらちら。

「大丈夫、それこの通り、ちょいちょいの、ちょいちょいと、」

「あれ、止して頂戴、止してよ。」

と浮かした膝を揺ら揺らと、袖が薫って伸上る。

「なぜですてば。」

「危いわ、危いわ。おとなしい、その優しい眉毛を、落したらどうしましょう。」

「その事ですかい。」

と、ちょっと留めた剃刀をまた当てた。

「構やしません。」

「あれ、目の縁はまだしもよ、上は止して、後生だから。」

「貴女の襟脚を剃ろうてんだ。何、こんなものぐらい。」

「ああ、ああああ、ああーッ。」

と便所の裡で屋根へ投げた、筒抜けな大欠伸。

「笑っちゃあ……不可い不可い。」

「ははははは、笑ったって泣いたって、何、こんな小僧ッ子の眉毛なんか。」

「厭、厭、厭。」

と支膝のまま、するすると寄る衣摺が、遠くから羽衣の音の近くように宗吉の胸に響いた……畳の波に人魚の半身。

「どんな母さんでしょう、このお方。