Classici giapponesi con furigana
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ばいしょくかもなんばん
売色鴨南蛮
泉 鏡花
Leggi 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.926 caratteri · 28 schermate
「ああ、ああ、」
「堪らねえなあ。」
「よく出来てら。」
「困ったわねえ。」と、つい釣込まれたかして、連もない女学生が猪首を縮めて呟いた。
が、いずれも、今はじめて知ったのでは無さそうで、赤帽がしかく機械的に言うのでも分る。
かかる群集の動揺む下に、冷然たる線路は、日脚に薄暗く沈んで、いまに鯊が釣れるから待て、と大都市の泥海に、入江のごとく彎曲しつつ、伸々と静まり返って、その癖底光のする歯の土手を見せて、冷笑う。
赤帽の言葉を善意に解するにつけても、いやしくも中山高帽を冠って、外套も服も身に添った、洋行がえりの大学教授が、端近へ押出して、その際じたばたすべきではあるまい。
宗吉は――煙草は喫まないが――その火鉢の傍へ引籠ろうとして、靴を返しながら、爪尖を見れば、ぐしょ濡の土間に、ちらちらとまた紅の褄が流れる。
緋鯉が躍ったようである。
思わず視線の向うのと、肩を合せて、その時、腰掛を立上った、もう一人の女がある。ちょうど緋縮緬のと並んでいた、そのつれかとも思われる、大島の羽織を着た、丸髷の、脊の高い、面長な、目鼻立のきっぱりした顔を見ると、宗吉は、あっと思った。