Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へんじんでん

変人伝

佐々木 邦

Leggi 変人伝 (へんじんでん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.178 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

皆竹馬の友だから遠慮がない。僕も同郷の後輩ということになるから、罷り出て御高説を拝聴する。これが唯一の息抜きだ。この時は話をしても嚔をしても叱られない。

「おい。画工、何うだ?」

と叔父は威張っている。

「画工はよしてくれ。可哀そうに、これでも帝展の推薦だぜ」

と島崎さんは抗議を申入れる。画伯と呼んで貰いたいのだろうが、決して然うは呼んでやらない。菊池さんは「死学者」だ。この人は会社の重役だけれど、いつも洋書を手に携えている。読書家らしい。しかし植物学の出でないから、反感を持って、死学者と呼ぶのらしい。竹内さんは「托鉢」だ。これは株屋で毎日兜町へ托鉢に行くと自称しているから苦情もない。托鉢が一番信用を博している。着物は一切托鉢の奥さんに拵えて貰う。

「托鉢、この間はこの着物を有難う。奥さんに宜しく言ってくれ」

と叔父がお礼を述べた。

「いや、一向。よく似合うようだが、早速染みを拵えたね」

「これはレゾールだ。消毒したんだよ。少しかけ過ぎた」

「そんな心配をさせまいと思って、人手を借りずに家内が自分で縫ったんだ」

「しかし君の奥さんだって黴菌がついていないとは限るまい。