Classici giapponesi con furigana
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ゆうがおのもん
夕顔の門
吉川 英治
Leggi 夕顔の門 (ゆうがおのもん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.956 caratteri · 29 schermate
『あっ、この家だっ』
『血しおがこぼれている!』
と、口々に喚いて、門の前に立ち塞がった侍たちの白刃を見て、今度は、より以上、恟ッと竦んでしまった。
『――それっ』
と、五人の中のひとりが云った。その男の白刃には、ありありと血しおが塗れていた。
他の者も、総て抜刀を引っ提げているのだ。どの顔も皆、眦をつりあげ、革襷をかけ、股立を括って、尋常な血相ではなかった。
その儘、彼等はどやどやと、門の中へ押し込んで来ようとした。すると、飛鳥のように、庭の奥から引っ返して来た兵庫が、
『待てっ、何処へ行くか』
と、門の口いっぱいに、両手を拡げて、立ち塞がった。
『やっ?』――と、その姿に初めて、
『ここは、曾我部どののお住居だったか』
と、気着いたように、一同は、土塀の夕顔を見まわした。
『されば親代々、お扶持を賜わって、ここに住居しておる曾我部兵庫。小さくとも、貧しくとも、侍の家は一城廓です。誰のゆるしを受けてこの門内へ、踏み込もうと召されるか』
『ただ今、この内へ、傷負の浪人が逃げ込んだ筈――討たでは措かれぬ憎ッくい曲者、お渡しください』
頬に古い大傷のある男が喚くと、それに続いて、他の侍たちも、