Classici giapponesi con furigana
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ゆうがおのもん
夕顔の門
吉川 英治
Leggi 夕顔の門 (ゆうがおのもん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.956 caratteri · 29 schermate
『この曾我部兵庫どのが――あんな事を仰せられる。わし等と共に、あの曲者を、一太刀恨んでもいい人なのに!』
『きっと、われわれが何者か、この門内へ逃げた浪人が誰か、まだ何も御存知ないのだろう。格之進も変っているし、おぬしの顔も、その大傷で変っているからな』
『そうだ。名乗れ名乗れ。――そして、仔細をよく話してみろ』
顔に大傷のある男を中心に、五名の侍は、がやがや云っていたが、軈て、
『あいや兵庫どの。これにおる男は、顔の大傷のため、お見違いなされたか知らぬが、以前、田丸様に若党奉公しておった楠平と申すもの。それがしは叔父の太左衛門でござる』
『てまえは、楠平の義兄の尾形周平というもの』
『拙者は、従兄弟の中根倉八』
『友人の沢井又兵衛』
と、順に名乗りかけてから、
『逃げ込んだ卑怯者は、六年前、御当所を逐電した深見格之進でござりますぞ。楠平にとっては、云わずと知れた年来の怨み重なる奴なれど、旧主の田丸家に取っても、又、其許にとっては猶のこと、捨ておかれぬ畜生ではござりませぬか。――それを匿う尊公の量見が分らぬ。いざ、お渡しください』
と、前にも増して強硬だった。