Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たとうじゃてつがく

多頭蛇哲学

太宰 治

Leggi 多頭蛇哲学 (たとうじゃてつがく) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2001 caratteri · 4 schermate

Aozora Bunko

だいいち、全体主義そのものを、どんな様式で説明したらいちばんよいか。やはり、いままでの思想体系の説明と同じように、煩瑣をいとわず逐条説明とするか。それでは、せっかくのゲシュタルトも、なんにもなるまい。案外、こんなところに全体主義の困惑があるのではないか。

さあ、なんと言っていいか。わからないかねえ。あれなんだがねえ。あれだよ。わからないかねえ。なんといっていいのか。ちょっと僕にも、などと、ひとりで弱っている姿を見ると、聞き手のほうでも、いい加減じれったくなって来る。近衛公が議会で、日本主義というのは、なんですか? と問われて、さあ、それは、一口でこうと説明は、どうも、その、と大いに弱っていたようであったが、むりもないことと思った。

象徴で行け。象徴で。

そうなったら面白い。

「日本主義とはなんでありますか?」

「柿です。」この柿には意味がない。

「柿ですか。それは、おどろいた。せめて、窓ぐらいにしてもらいたい。」

まさか、こんなばかげた問答は起るまいが、けれどもこの場合の柿にしろ、窓にしろ、これこれだからこうだ、という、いわば二段論法的な、こじつけではないわけだ。