Classici giapponesi con furigana
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よるのくつ
夜の靴
横光 利一
Leggi 夜の靴 (よるのくつ) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.056 caratteri · 213 schermate
」
朝鮮の作家は眼を耀かせて黙っていた。しかし、この作家はもう朝鮮へ去っている。
日本の全部をあげて汗水たらして働いているのも、いつの日か、誰か一人の詩人に、ほんの一行の生きたしるしを書かしめるためかもしれない、と思うことは誤りだろうか。
淡海のみゆふなみちどりながなけば心もしぬにいにしへ思ほゆ(人麿)
何と美しい一行の詩だろう。これを越した詩はかつて一行でもあっただろうか。たとえこのまま国が滅ぼうとも、これで生きた証拠になったと思われるものは、この他に何があるだろう。これに並ぶものに、
荒海や佐渡によこたふ天の川(芭蕉)
今やこの詩は実にさみしく美しい。去年までとはこれ程も美しく違うものかと私は思う。
こういうときふと自分のことを思うと、他人を見てどんなに感動しているときであろうとも、直ちに私は悲しみに襲われる。文士に憑きもののこの悲しさは、どんな山中にいようとも、どれほど人から物を貰おうとも、慰められることはさらにない。さみしさ、まさり来るばかりでただ日を送っているのみだ。何だか私には突き刺さっているものがある。
愁ひつつ丘にのぼれば花茨(蕪村)
と誰も口誦むのは理由がある。