Classici giapponesi con furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Leggi 夜光虫 (やこうちゅう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.871 caratteri · 134 schermate
「誰や、お前は? ……どこのどいつや」
と、隼団の一人が言った。
「僕は一介の復員兵士だ」
と、小沢は言った。
「――僕は君たちのように、龍だとか豹だとか虎だとか、親のつけた平凡な名前以外の名前を持っておらん。また、青蛇だとか、隼だとか、まるで動物園まがいの団体にも加盟しておらない」
「何ッ……? お前らの出る幕やない。引っ込んでろ」
と、一人が叫んだ。
小沢は平然として、物凄く速い口調で喋り立てた。
「なるほど、僕は出番をまちがえて、他の役者の出る幕の舞台へ飛び出した間抜け役者かも知れない。しかし、とにかく舞台へ飛び出したのだ。何とか科白を喋ってから引き下るということにしなければ、恰好がつかないし、今更引っ込みもつかない」
「じゃ、何を喋りに来たんや」
「結論を先に言おう」
と小沢はじろりと一同を見廻して、
「――喧嘩というものが、いかにくだらぬものであるかということを、君たちに納得させたいんだ」
「大きにお世話や。引っ込んだらどうや」
「まア、聴け! 日本人はかつては、暴力や喧嘩沙汰の好きな国民だった。だから戦争をおっぱじめて、こんなみじめなことになってしまったんだ。