Classici giapponesi con furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Leggi 夜光虫 (やこうちゅう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.871 caratteri · 134 schermate
母親のことが気になって、一分でも早く家へ帰りたかったが、しかし、それよりも先立つのは、
「一円でも沢山持って帰ろう」
という想いであった。
食堂から洩れて来るのは、光だけではなかった。
肉を焼いているのか、その香いがプンプン漂ようて来る。
「ああ、ええ香がしよる」
三郎はちいさな鼻をピクピクさせて、
「――兄ちゃん、ハナヤのカツレツ美味かったなア」
「うん、オムレツも美味かったぜ」
と、次郎も唾をのみこんだ。
「フズーズボンチも美味かったな」
と、三郎、
「阿呆! フルーツポンチや。フズーズボンチとちがうわい」
と、次郎は叱りつけたが、ふと、ためいきをついて、
「――しかし、珈琲も美味かったぜ」
「わいはあんなにがいもンより、エビフライの方がええ。――ああ、おなかペコペコや」
昼日散々、反吐が出るくらい豹吉に食べさせて貰ったのに、三郎はもう腹の皮がひっつきそうだった。
「うん。わいもペコペコや。――銭があったらなあ。もう一ぺんハナヤへ行てうんと食べこましたるんやけどなア」
と、次郎が言うと、三郎は、
「そや、そや、食べたあとは包んでもろて母ちゃんに土産にする」
「ああ、銭がほしい。