Classici giapponesi con furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Leggi 夜光虫 (やこうちゅう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.871 caratteri · 134 schermate
豹吉はその一人一人を見廻しながら急にぷっと噴き出した。
「何がおかしい」
「ようも、これだけ不細工な男を、よりによって闇市の目刺しみたいに並べたと思って、感心してるんだ」
「何ッ……? 生を言うな。散髪屋の看板写真みたいに、規格型の顔をさらしてると思て、うぬぼれるな。一寸は大人並みに歪んだ方が、人間らしいわい。自分で歪みたくなきゃア、こっちの手でお好みの型に歪ませてやるから、そう思えよ。それとも面の歪むのがいやなら、風通しの悪いその脳味噌に、風穴を一つあけてやろうか」
拳銃を握った手がいきなり豹吉の頭へ伸びて来た。
「…………」
豹吉は黙々として、その拳銃の先をじっと見つめていた。
「それとも、手をついて謝るか」
「…………」
「十かぞえる間に返答しろ」
「…………」
「一つ!」
「…………」
「二つ!」
拳銃の先が少しずつ伸びて来る。
「三つ!」
「…………」
「四つ! 五つ! 六つ!」
テンポが早くなった。
「七つ! 八つ!」
「…………」
「九つ!」
「九つ!」
という隼団の龍太の声をきいた時、豹吉の頭に再び雪子の顔が、流星のようにふっと流れて、消えた。
「……雪子の面影を抱いて、死のう」