Classici giapponesi con furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.172 caratteri · 206 schermate
たとえば、この村々に檜類のあるところは人民の私有地たりともことごとく官有地に編み入れるとは。また、たとえば、しいてそれを人民が言い立てるなら山林から税を取るが、官有地にして置けばその税も出さずに済むとはの類だ。
廃藩置県以来、一村一人ずつの山守、および留山見回りも廃されてから、伊之助もその役から離れて帯刀と雑用金とを返上し、今では自家の商業に隠れている。この人は支庁主任の処置を苦々しく思うと言い、木曾谷三十三か村の人民が命脈にもかかわることを黙って見ていられるはずもないが、自分一個としてはまずまず忍耐していたいと言って帰って行く。やがて、夕飯にはまだすこし間のあるころに、半蔵は妻と二人ぎりで店座敷に話すことのできる時を見つけた。
「いや、お粂のやつが妙なことを言い出した。」
とその時、半蔵は娘のことをお民の前に持ち出した。彼はその言葉をついで、
「何さ。おれが王滝へ行くなら、あれも一緒に供をさせてくれと言うんさ。」
「まあ。」
「御嶽里宮のことはあれも聞いて知ってるからね、何かお参りでもしたいようなあれの口ぶりさ。」
「そんな話はわたしにはしませんよ。」
「あれも思い直したんだろう。