Classici giapponesi con furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.172 caratteri · 206 schermate
」と言っていながら、やっぱり猫のような動物の世界にも好いた同志というものはあると知った時は、廊下の柱のそばに立って動かなかった。ちょうど、お粂も表玄関に近い板敷きの方で織りかけていた機を早じまいにして、その廊下つづきの方へ通って来た。そこはお民やお粂が髪をとかす時に使う小さな座敷である。その時、お民は廊下の離れた位置から娘の様子をよく見ようとしたが、それはかなわなかった。というのは、お粂は見るまじきものをその納戸の窓の下に見たというふうで、また急いで西側の廊下の方へ行って隠れたからで。
「あなた、ようやくわたしにはお粂の見通しがつきましたよ。」
と言って、お民が店座敷へ顔を出した時は、半蔵は客の待ちどおしさに部屋のなかを静かに歩き回っていた。お民に言わせると、女の男にあう路は教えられるまでもないのに、あれほど家のおばあさんから女は嫁ぐべきものと言い聞かせられながら、とかくお粂が心の進まないらしいのは、全くその方の知恵があの子に遅れているのであろうというのであった。もっとも、その他の事にかけては、お粂は年寄りのようによく気のつく娘で、母親の彼女よりも弟たちの世話を焼くくらいであるが、とも付け添えた。