Classici giapponesi con furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.315 caratteri · 25 schermate
「九太夫さんはどう思っているか知りませんが、九郎兵衛さんにかぎって決してそんなことはありません。そりゃだれがなんと言ったって、お父さんのためにお山へ参籠までして、御全快を祷りに行くようなことは、半蔵さまでなけりゃできないことです。」
「いえ、その点はおれも感心してるがね。なんと言うか、こう、まるで子供のようなところが半蔵にはあるよ。あれでもうすこし細かいところにも気がつくようだと、宿場の世話もよく届くかと思うんだが。」
「そりゃ、大旦那、街道へ日があたって来たからと言って、すぐに傘をひろげて出す金兵衛さんのような細かさは、半蔵さまにはありません。」
「金兵衛さんの言い草がいいじゃないか。半蔵に問屋場を預けて置くのは、米の値を知らない番人に米蔵を預けて置くようなものだとさ。あの人の言うことは鋭い。」
「まあ、栄吉さんも来てくれたものですし、そう大旦那のように御心配なすったものでもありません。見ていてください。半蔵さまだってなかなかやりますよ。」
「清助さん、」とその時、吉左衛門は相手の言うことをさえぎった。「この話はこのくらいにして、おれが一つ将棋のたとえを出すよ。