Classici giapponesi con furigana
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よながひめとみみお
夜長姫と耳男
Leggi 夜長姫と耳男 (よながひめとみみお) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.604 caratteri · 56 schermate
こう考えると、ワケが分ってきたように思われた。そこでムラムラと怒りがこみあげた。バカな女め。キサマ欲しさに仕事をするオレと思うか。連れて帰れと云われても、肩に落ちた毛虫のように手で払って捨てて行くだけのことだ。こう考えたから、オレの心は落附いた。
「耳男をつれて参りました」
アナマロが室内に向って大声で叫んだ。するとスダレの向うに気配があって、着席した長者が云った。
「アナマロはあるか」
「これにおります」
「耳男に沙汰を申し伝えよ」
「かしこまりました」
アナマロはオレを睨みつけて、次のように申し渡した。
「当家の女奴隷が耳男の片耳をそぎ落したときこえては、ヒダのタクミ一同にも、ヒダの国人一同にも申訳が立たない。よってエナコを死罪に処するが、耳男が仇をうけた当人だから、耳男の斧で首を打たせる。耳男、うて」
オレはこれをきいて、エナコがオレを仇のように睨むのは道理と思った。この疑いがはれてしまえば、あとは気にかかるものもない。オレは云ってやった。
「御親切は痛みいるが、それには及びますまい」
「うてぬか」
オレはスックと立ってみせた。斧をとってズカズカと進み、エナコの直前で一睨み、凄みをきかせて睨みつけてやった。