Classici giapponesi con furigana
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ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 夢殿殺人事件 (ゆめどのさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.755 caratteri · 55 schermate
と云うのは、推摩居士の行衣にある瓢箪形の血痕を、各人各様に見た印象が素因なのです。所が、貴女だけは、それを知らない――と答えましたっけね。私は、あれ程特異な形を知らないと云う言葉に、異様な響きを感じて、早速その分析を始めました。そして気がついたのは、私と貴女とでは、目的とするものが全然異なっていると云う事なんです。言葉を換て云えば、貴女は私の術中にまんまと陥ってしまったのですよ。実を云うと、あの心理試験を用いた真実の目的と云うのは、決して瓢箪形の血痕にあるのではなくて、寧ろ智凡尼が英仏海峡附近の地図と云った、下の血痕との間に挾まれている溝にあったのです。貴女が知らないと答えたのは、あのU字形の溝なんですよ。ねえ普光さん、聯想と云うものは、非常に正確な精神化学なんですよ。あの二つの伝声管を繋いだとしたら、それがU字管になるでしょうからね。するとU字管には色々な現象が想像されますが、さしずめ、一本の伝声管の端に銛を作ったと仮定しましょう。そして、それに空気を激突させるような仕掛を側に置いたとしたら、そこでは下らない雑音に過ぎないものが、管の気柱を振動させて二階の孔からどう云う音響となって飛び出しますか――その事はとっくに御承知の事と思われます。