Classici giapponesi con furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Leggi 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.558 caratteri · 153 schermate
それからこの家を出られたのですがそのまんま九段へも帰られないのだそうです」
「若先生は生きておられるのですか」
と私は畳みかけて問うた。妻木君は黙ってうなずいた。それから静かに云った。
「……この鼓に呪われて……生きた死骸とおんなじになって……しかしそれを深く恥じながら……自分を知っているものに会わないようにどこにか……姿をかくしておられます」
「あなたはどうしてそれがおわかりになりますか」
「……私は若先生にお眼にかかりました……私にこの事だけ云って行かれたのです。そうして……私の後継ぎにはやはり音丸という子供が来ると……」
私は思わずカッと耳まで赤くなった。若先生にまで見込まれていたのかと思うと空恐ろしくなったので……。
それと一緒に眼の前に居る妻木という書生さんがまるで違ったえらい人に思われて来た。若先生がそんなことまで打ち明けられる人ならば、よほど芸の出来た人に違いないからである。私はすぐにも頭を下げたい位に思いながら恭しくきいた。
「それからあなたは……どうなさいましたか」
妻木君も私と一緒に心持ち赤くなっていたようであったが、それでも前より勢い込んで話し出した。