Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おおとねのおおものつり

大利根の大物釣

石井 研堂

Leggi 大利根の大物釣 (おおとねのおおものつり) di 石井 研堂 (いしいけんどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8600 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

然るに、予が今の失敗は何事ぞ、鈎折れしか、※切れしか、結び目解けしか、或は懸りの浅かりしにや、原因の何れにあるを問わず、一旦懸りしものを逸らせしは、返す返すも遺憾なり。ああ口惜しきことしたり、此の取り返しは、一生の中に、又と望むべからず、思えば思うほど残念なり。其の癖、綸は、今年おろして間も無く、腐蒸居るべしとも思われず、綸の長く延び居る際は、思いの外安全なれども、近く寄せて格闘する際に、不覚を取ること多きは、予も知らざるに非ず。されば、沈より先きなる※は、大事の上にも大事を取り、上○の八本よりを用いたれば、容易に切るるべしとは思わず。水にふやけて弛みし節の解けたるにや。一回毎に切り棄てることを敢てせざりし為めに、鈎近くの※の疲れ居て、脆く切れたるにや、何れにしても、偶に来れる逸物を挙げ損ねたるは、釣道の大恥辱なり。ただ一尾の魚を惜むに非ず。釣道の極意を得ざりしを惜むなり。と、兎さま角さまに、苦悶し、懊悩し、少時は石像木仏の如し。船頭、余り気を落せるを見て、

『旦那如何です。此の潮の好い処を、早くお行りになりませんか。』と励ませども身体は尚少しも動かず、『そうだね』