Classici giapponesi con furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Leggi 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) di 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.647 caratteri · 215 schermate
言論も文章も微笑を失った。正しい言説、正しい情愛といえども、微笑を失えば不正となる。正しいことを言ったからとて、正しいとはいえないという微妙な道理をいやになるほど痛感したのである。
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微笑はおのずから湧く泉のごときもの、「我」ならぬもの、そして根源に必ずなつかしさがなければならぬ。なつかしさの感情はいかに自ら人工しても出てこない。在りのままの飾らざる人間に、ふとあらわれる後光のようなものだ。人と別れた後、もしそこになつかしさがあるなら必ずふりかえって別れを惜しむであろう。そうさせる力が後光なのだ。人間の心は、眼や表情にもあらわれるが、後姿にはっきりあらわれることを忘れてはならぬ。人は後姿について全く無意識だ。そして何げなくそこに全自己をあらわすものだ。後姿は悲しいものである。無常の世に生きるものの悲哀、生の疲れ、無限の嘆きを宿しているように思われる。例外なく、何かしら人生の重荷を背負っているからであろう。だからこそなつかしいのではなかろうか。微笑をもって別れるものは美しい。
菩薩とは、かかるなつかしさに常住するものにちがいない。慈悲とは、高所よりの同情心や博愛ではなく、もっと身につまされた生の嘆きであろう。