Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいどうじしんすけのはんせい

大導寺信輔の半生

芥川 竜之介

Leggi 大導寺信輔の半生 (だいどうじしんすけのはんせい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.611 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

又彼等の或ものは――それは左の眼に義眼をした国語漢文の教師だった。この教師は彼の武芸や競技に興味のないことを喜ばなかった。その為に何度も信輔を「お前は女か?」と嘲笑した。信輔は或時赫とした拍子に、「先生は男ですか?」と反問した。教師は勿論彼の不遜に厳罰を課せずには措かなかった。その外もう紙の黄ばんだ「自ら欺かざるの記」を読み返して見れば、彼の屈辱を蒙ったことは枚挙し難い位だった。自尊心の強い信輔は意地にも彼自身を守る為に、いつもこう言う屈辱を反撥しなければならなかった。さもなければあらゆる不良少年のように彼自身を軽んずるのに了るだけだった。彼はその自彊術の道具を当然「自ら欺かざるの記」に求めた。――

「予の蒙れる悪名は多けれども、分つて三と為すことを得べし。

「その一は文弱也。文弱とは肉体の力よりも精神の力を重んずるを言ふ。

「その二は軽佻浮薄也。軽佻浮薄とは功利の外に美なるものを愛するを言ふ。

「その三は傲慢也。傲慢とは妄に他の前に自己の所信を屈せざるを言ふ。

しかし教師も悉く彼を迫害した訣ではなかった。彼等の或ものは家族を加えた茶話会に彼を招待した。