Classici giapponesi con furigana
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だいどうじしんすけのはんせい
大導寺信輔の半生
Leggi 大導寺信輔の半生 (だいどうじしんすけのはんせい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.611 caratteri · 26 schermate
が、この虚偽の感激に充ちた、顔色の蒼白い高等学校の生徒は当時の大導寺信輔よりも寧ろ若いジュリアン・ソレル――「赤と黒」の主人公だった。
こう言う信輔は当然又あらゆるものを本の中に学んだ。少くとも本に負う所の全然ないものは一つもなかった。実際彼は人生を知る為に街頭の行人を眺めなかった。寧ろ行人を眺める為に本の中の人生を知ろうとした。それは或は人生を知るには迂遠の策だったのかも知れなかった。が、街頭の行人は彼には只行人だった。彼は彼等を知る為には、――彼等の愛を、彼等の憎悪を、彼等の虚栄心を知る為には本を読むより外はなかった。本を、――殊に世紀末の欧羅巴の産んだ小説や戯曲を。彼はその冷たい光の中にやっと彼の前に展開する人間喜劇を発見した。いや、或は善悪を分たぬ彼自身の魂をも発見した。それは人生には限らなかった。彼は本所の町々に自然の美しさを発見した。しかし彼の自然を見る目に多少の鋭さを加えたのはやはり何冊かの愛読書、――就中元禄の俳諧だった。彼はそれ等を読んだ為に「都に近き山の形」を、「欝金畠の秋の風」を、「沖の時雨の真帆片帆」を、「闇のかた行く五位の声」