Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おおしまができるはなし

大島が出来る話

菊池 寛

Leggi 大島が出来る話 (おおしまができるはなし) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9856 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

兄の方が、新しく買ったらしい、ピンポンの道具を持って居た。そして、

「先生! ピンポンを買って貰ったから、しましょう。随分旨くなったのだから。」と、云った。

譲吉は、隣家の主人に頼まれて、此の子供達に英語を、ホンの一週間ばかり教えた事があるので、兄弟は今でも譲吉の事を、先生と云って居た。

「あ、やろうやろう、直ぐ負かしてやるから。」譲吉は、実際、ピンポンには自信があった。彼は中学時代には、ピンポンの選手であった。

「先生! 雨戸を一つ外ずせませんか、台にするんだから。」と、弟の方の少年が云った。やがて譲吉も手伝って雨戸が一つ、縁側の上に置かれ、そして、その中央に不完全な網が張られた。が、ボールは思う通りには、バウンドしなかった。でも、段違に上手な譲吉は、相手の少年を交る交る、幾度も負かした。

相手が下手なので、余り興味が乗らなかったが、夫でも勝ち続けて居る事は、決して不快ではなかった。その時、ふと気が附くと、譲吉の家の門の前で、自転車が止るような気勢がした。『電報!』彼は直覚的にそう思った。彼は電報を受け取る前に、特有な不安を以て、ピンポンのラケットを持つ手を緩めて、門の開くのを待った。