Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいくうまかん

大空魔艦

海野 十三

Leggi 大空魔艦 (たいくうまかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.098 caratteri · 63 schermate

Aozora Bunko

僕はすこしあわて者だったね」

急に気がしっかりしてきた。

空を見上げると、空魔艦はどこへ飛びさったか、あの大きな翼も見えないし、エンジンの音も聞えない。

眼をひるがえして下を見ると、おお氷原はすぐそこに見える。難破船が急に大きくなって眼にうつった。

ここにいたって丁坊は、機長「笑い熊」の考えがさっぱり分らなくなった。大悪人だと今の今まで思っていたが、落下傘をつけて放すようでは、善人である。

「いや、善人といえるかどうか。なにしろ下が東京の銀座とか日比谷公園でもあるのならともかく、氷点下何十度という無人境なんだ。そんなところへ落下傘でおろすような奴は、やっぱり善人ではない」

そうすると、やっぱり「笑い熊」を憎んだ方が正しいのであろうか。丁坊は、そのどっちであるかを一刻もはやくたしかめたいと思った。

氷原はぐんぐん足の下にもりあがってくる。はじめは小蒸気ぐらいに思えた難破船が、だんだん形が大きく見えてきて、今はどうやら千五六百トンもある大きな船に見えてきた。

すると船上に、今まで見えなかった人影が五つ六つ現われているのに気がついた。

「ああ、人だ。あの船に人がいる」