Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たいくうまかん
大空魔艦
海野 十三
Leggi 大空魔艦 (たいくうまかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.098 caratteri · 63 schermate
船が沈んでしまったら、それこそ何にも取りだせないぞ」
と大月大佐は、まだ船の上に立って、しきりに隊員をはげましていた。
「食糧と水とは全部だしました。武器や観測用具も殆んどみな出ました。こんどはエンジンを出したいのですが、どうも間にあいません」
と隊員が大声で叫んだ。
「いや、どう無理をしてもエンジンは出さなきゃいけない。無電室に小さいのがあったじゃないか」
「あれは前から壊れているのです」
「壊れている? 壊れていても、エンジンを一つも出さないよりはましだ。出して置いた方がいい。それから椅子や卓上や毛布など隊員の生活に必要なものは一つのこらず出してくれ」
「ええ、そいつはもうすっかり出してあります。船の向う側へ抛りだしてあるんです」
「無電装置は出したろうな」
「ええ、短波式のを一組、いま出しにかかっているところですが、この分じゃ間に合うかなあ」
「間に合うかなあと心配ばかりしてはいけない。無電装置はぜひ入用だ。いいからすぐ全員をその方に向けて、なんとしても取出すんだ」
「はい、承知しました」
船員は呼笛につれて、傾いた甲板の上を猿のように伝わって走ってゆく。
そのうちに、ああっという叫び声が聞えた。