Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate

Aozora Bunko

「なるほど」

「それもあなた、不動様の功徳を述べる口の下から、一巻についていくら、十巻以上は割引……まるで糶売のような景気。でもなかなか売れるようでしたから、ずいぶんお金儲けにもなりましょう。ほんとうに今時の坊さんは商売上手です」

「ははあ」

この時神尾主膳の耳へは、金儲けという言葉が強く響いて、その金儲けから逆に、お絹の言葉を二度三度思い返しているうちに、ハタと自分の膝をたたきました。

神尾主膳がハタと膝をたたいたのは、お絹の世間話が暗示となって、こういうことを考えついたのです。

坊主を利用してやろう――という、ただそれだけのボーッとした謀叛の輪廓が浮き上って来ました。というのは、僧は俗より出で、俗よりも俗なり、ということをかねて知っていたからです。出家は人間の最上なるもの、王位を捨ててもそれを求むるものさえあるが、坊主の腐ったのときた日には、俗人の腐ったのより更に悪い、図々しくって、慾が深くって、理窟が達者で、弁口がうまくて、女が好きで……それを神尾主膳はよく心得ていたから、この際、堕落坊主をひとつ利用して、何か山を張ってみようと考えついたのです。