Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate
その後で、弁信は何か一思案ありそうな面をして、
「もう暗いはず、灯が無くて見えるか知ら」
本堂へ廻って行った旅の人は、この薄暗い空気の中で、建築の模様を眺めながら、ジリジリと堂をめぐって、早くも背面へまわりました。
その時分になって、縁の下から面を出した茂太郎が、
「弁信さん」
「なに」
「今の人は、もう行ってしまったかい」
「まだ裏の方を見ているでしょう。お前隠れなくてもいいじゃないかね」
「だって……弁信さん、あれはいやな奴だよ、あれはね、がんりきの百蔵といって、両国橋にいる時に、よくやって来た、いやな奴だ。あたいを捕まえに来たんじゃないか知ら」
「そうかね、そんな人だったの。でも、旅の大工だといっているから」
「大工じゃない、遊び人なんだよ。何しに来たんだろう、気をおつけ」
「そうね」
二人は、そのいやな奴が何しにここへ来たかを解しかねて、気味悪く思いました。
がんりきの百蔵とてもまた、すでに机竜之助在らず、お銀様も、宇津木兵馬も、お雪ちゃんもいないところへ、なんだって今頃になって尋ねて来たのだろう。
果して見るだけ見、たたくだけたたいてみたがんりきの百蔵は、なあんだ、つまらないという面をして、以前のところへ戻って来ると、弁信法師は相変らず縁に腰をかけていたが、茂太郎は再び九太夫をきめ込む。