Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate
「あんまりいいお天気だものですから、こうしてブラブラと遊びに出かけました」
と後家さんがいうと、神主は、
「ああ、そうでしたかい、そうでしたかい、よくおいでたの。わしは昨晩、室堂へ泊りましての、御陽光を拝みましての、御分身がすっかり身にしみ渡りましたので、よろこんで下山を致して参りましたわい。さあさあ、もっと火をお焚きなされ、火をたいて陽気になされませ」
こういって神主は藁靴、藁はばきをとって、炉辺に坐り込み、薪を炉の中にくべました。
「お山の上はずいぶん雪が深うございましたろう、よくおのぼりになりましたね」
「ええ、ええ、もう、積雪膝を没するばかりで、風でも吹いてごろうじろ、とても上り下りのできるものではございません、当分は室堂へお籠りのつもりで出かけましたが、今朝は御陽光がすっかり身にしみて、この通りの上天気だものですから、一気に室堂から下って参りましたわい」
「御修行でおいでなさればこそ、とても並みの人にはできません」
と後家さんが感心してお世辞をいうと、浅吉が、これに継ぎ足して、
「ほんとに、お羨ましうございます、わたしなんぞは、こんな若いくせをしまして、火の傍ばっかり恋しがっているのに、この寒空を、あの高い山まで楽々と上り下りをなさるのは、恐れ入りました、御修行とはいいながら、大したものです」